アニメ、マンガ、日常生活

主にマンガ、アニメを中心にしたサブカルについて語るブログです。アマゾン等のアフィリエイトリンクを使用しています。
<< March 2024 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
ARCHIVES
RECENT COMMENT
  • 「召喚された賢者は異世界を往く 〜最強なのは不要在庫のアイテムでした〜」のコミカライズ作品がキンドルでセールになっています。
    aki (02/17)
  • 「諸星大二郎劇場 第3集 美少女を食べる」を購入したので感想。ネタバレあります。
    山田与作 (12/30)
  • 「オリオンラジオの夜」諸星大二郎 感想
    山田与作 (09/21)
  • dアニメストアの新着作品
    じーな (02/18)
  • 今見てるアニメ
    じーな (02/16)
キンドル
MOBILE
qrcode
PROFILE
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
アフィリエイトについて
このブログはアマゾンを始めとする各社アフィリエイト広告を利用しています。
「いまさら翼といわれても」(文庫)到着。ネタバレあり




米澤穂信の人気シリーズ「古典部」シリーズの最新作の「いまさら翼といわれても」の文庫版が発売になり、今さっき、アマゾンから到着したので、記事にしました。





それではここからはネタバレあり感想。(実は収録短編はどれもすでに読んでいるので、中身を知っています。)

古典部シリーズは、いわゆる「日常の謎」系の推理小説シリーズで、神山高校を舞台に「古典部」という廃部寸前の部活に入部した4人の同級生を中心に学校生活の謎を解き明かしていく、というものです。角川のライトノベルレーベルで発表されました。
当初は人気が出ずに一度は2作目の「愚者のエンドロール」で打ち切り扱いになったものの、創元推理文庫で「さよなら妖精」という作品が高い評価を受けて、シリーズ3作めの「クドリャフカの順番」が発表。それ以後、2012年には京アニの手によってテレビアニメ化もされ、タスクオーナによるコミカライズも開始。このコミカライズも5月末に12巻が発売されて、このブログでも感想を書いています

アニメ化されて、ガンガン続編を書くのかと思うとそんなことはなく、アニメ化前に発売された短編集の「遠まわりする雛」と、単行本が出た2年後の文庫化時がアニメ放映と重なった「ふたりの距離の概算」。
ここまでで、ほぼ途絶状態になって、あとはパラパラと短編が発表されて、その短編を集めたのが「いまさら翼といわれても」。2016年に単行本が発売されて、今回、文庫化されました。

さて、「いまさら翼といわれても」の内容ですが、
箱の中の欠落
鏡には映らない
連峰は晴れているか
わたしたちの伝説の一冊
長い休日
いまさら翼といわれても
の6編が収められています。

各話については、
「箱の中の欠落」は、主人公奉太郎の親友の里志は古典部の他に生徒会にも入っているのですが、会長選挙で不備があり、その解決を奉太郎に依頼して……

「鏡には映らない」は、奉太郎が中学校の卒業制作での行動を、後に摩耶花が探るというもの。奉太郎に密かに助けられた少女が、敢えて今の奉太郎に会わないのが心を打ちます。

「連峰は晴れているか」は、この前の短編集の「遠まわりする雛」には含まれていませんが、発表時が早くてアニメ化もされています。
中学のときの、奉太郎達の教師の不思議な行動を、奉太郎が数年経ってから解き明かす、というものです。
アニメでは、奉太郎とヒロインのえるが図書館デートをする回といった感じになっています。

「わたしたちの伝説の一冊」は、登場人物の1人の摩耶花が主人公+視点人物で、奉太郎は脇役に回ります。「クドリャフカの順番」は持って生まれた才能と自負心、高校生らしい若さ(未熟さ)が甘酸っぱいというか苦いような描き方で描かれますが、そのアフターフォロー的な作品になっています。
この短編を読んで、「摩耶花は漫研を辞めて正解だ」と思いました。本当に才能があるのかどうかはまた別問題として、自らの腕を磨くべき時期に狭い世界(漫研)の勢力争いで時間を無駄にすることはないです。

「長い休日」は奉太郎が主人公。第一作目から彼の信条の省エネ主義ですが、何故そうなったのかが描かれます。でも、えるとの交流を通して、そろそろ奉太郎の生き方も変わっていきそうな気配を感じさせます。

「いまさら翼といわれても」はえるの心情を描いたもの。
えるはかなりの天然さんなのですが、基本的に奉太郎から見た姿が描かれるので(男子高校生が好きな女の子を描写しているので)、どこか神秘的な感じに描かれていて、何を考えているのかよく判りません。(クドリャフカの順番で、一部だけえるが視点人物になる場面がありますが、まあ女子高校生だけに大したことを考えてはいない)
そのえるが、それでも「遠まわりする雛」では自分の行末について考えていること、覚悟していることが、この短編でひっくり返っていて、その動揺で狼狽えた行動を取ってしまっています。奉太郎はそれを名探偵らしい不思議な直感に導かれて、助け舟を出しますが、結局はえるがどのような決断をしたのかをはっきりさせないまま、短編は終わっています。
「遠まわりする雛」でのえるの覚悟は、言葉を変えると、奉太郎との交流(恋愛まではなかなか進まない)は高校時代ぐらいまでで、その先は2人の道は離れていくことを示唆しています。奉太郎が決意をすれば別なのですが、高校1年から2年になるぐらいの少年には、自分の将来を決定しててしまうような決断は出来ずに無言で立ちすくむしかなく……。
しかし、えるを縛っていた鎖が外れて(実は自分自身が縛られていると思い込んでいただけだったのですが)、自由に行きたいところに行ける翼を持つとなれば、この短編の終わりの時点では戸惑っていても、この先の高校生活を通して大学からその先の道をどのように決断していくのかが、今後のシリーズの焦点になっていくのでしょう。
果たして、その続編が書かれるのかどうかちょっと不安がありますが(作者の米澤穂信は奉太郎たちの卒業まで書くとは言っていますが……)、楽しみに待ちたいと思います。




















コミック12巻。「遠まわりする雛」の最後までやっています。このコミカライズもかなりの良作です。



アニメの氷菓も京アニらしい丁寧な描写の良作です。dアニメストアの見放題対象です。


「氷菓」BD-BOX



アマゾンでいま、人気のコミック
コメント
コメントする









 

(C) 2024 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.